イラストを描くパソコン・ノートパソコンの選び方とおすすめモデル
最終更新日:2018年3月30日
パソコンでデジタル・イラストを描くとなると、使用ソフトはCLIP STUDIO PAINTが主流です。
アドビ社のPhotoshopでもデジタル・イラストは描くことはできますが、これからデジタル・イラストを描くなら、CLIP STUDIO PAINT がおすすめです。
Photoshop…月額制なので、長い目でみると費用が高い。画像編集全般には強いが、イラストを描くことに特化すると、CLIP STUDIOの方がおすすめ。
CLIP STUDIO PAINT…デジタル・イラストを描くのに向いているソフト。pixivのクリエイターが1番使っているのソフトなので、どのソフトを使えばいいかわからない場合は、ひとまずこれを選べば安心。
というわけでここでは、CLIP STUDIO PAINTを使ってイラストを描くことを想定して、どんなスペックのパソコンがおすすめなのかを解説していきます。
デジタル・イラストを描くのにおすすめのパソコンのスペック
まず、イラストを描くためのパソコンの選び方として、ポイントとなるパーツについて見てみましょう。
CPU、メモリ、GPUについて簡単に解説
CPU:パソコンの頭脳にあたる部分で、処理性能に大きくかかわるパーツ。
メモリ:パソコンの短期記憶を担当するパーツ。メモリ容量が大きいと、一度に扱えるデータ量も大きくなるので、処理速度がアップします。
GPU:画像や動画の処理を担当するパーツ。
普通のデジタルイラストでしたら、GPUのことはあまり気にしないでも大丈夫ですが、3Dのイラストや動画処理をする場合は、重要なパーツです。
GPUは、CPUに内蔵されている場合と、カード(グラフィックボード)として取り付けられている場合があります。
※「CLIP STUDIO PAINT」で3Dデータを扱う3Dレイヤーを使用する場合は、専用GPUが必須です。
※Photoshopを使う場合も、専用GPUがあった方がいいです。
グラフィックボード
では、これらのパーツについて、どれくらいの性能のものがいいのかというと・・・
CPU |
インテル Core i5 以上 |
---|---|
メモリ |
8GB以上 |
GPU |
NVIDIA社のGeForceなどを搭載(3DイラストやPhotoshopを使う場合) |
これくらいの性能のものを買えば、快適にデジタル・イラストを描けます(よほど大きなサイズのデジタル絵を描くのでもない限りは)。
これらの条件を満たしつつ、2018年3月現在でおすすめパソコンをご紹介します。
イラストを描くにのおすすめのノートパソコンはコレ!
マウスコンピューター「イラスト制作向けノートパソコン限定モデル」
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア(非光沢)液晶 |
CPU | インテル Core i7-7700HQ プロセッサー |
グラフィックボード | GeForce MX 150(2GB) |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 「256GB SSD」+「1TB HDD」 |
価格 | 107,800円(税別)(2018年3月30日現在) |
このパソコンのおすすめポイントを挙げますと、
ある程度、画面が大きい方がイラストも描きやすいです。画面のテカリは作業のジャマになるので、テカリのないノングレア(非光沢)液晶なのもおすすめポイントです。
イラストを描くならフルHD以上の液晶解像度がおすすめです。
グラフィックボードが、画像や動画の処理を大幅にスピードアップさせてくれます。ストレスのないイラスト作成には必須でしょう。
メインストレージにデータ転送スピードの速い高速SSDを搭載。さらにHDDも搭載されているデュアルストレージ仕様です。「速さ」と「大容量データ保存」の両方をそなえています。
コストパフォーマンスも非常に高いので、イラストを描くために買うのにおすすめのPCです。
※なお、「イラスト制作向けノートパソコン限定モデル」は、限定モデルなので、マウスコンピューターのトップページからはアクセスできない特別ページのようです。
マウスコンピューター「イラスト制作向けノートパソコン限定モデル」の詳細はコチラ
もっと安いモデルがいいなら、コレ!
あとは、ドスパラというPCメーカーから、マンガ・イラスト制作用の「クリエイター向けパソコン」が販売されています。
ドスパラ「クリエイター向けパソコン」raytrek debut!(レイトレック デビュー!) F-13 [SSD搭載]
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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液晶 | 13.3インチ光沢液晶 |
CPU | インテル Core i5-7200U プロセッサー |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 620 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
価格 | 79,980円 (税別)(2018年3月30日現在) |
こちらのノートパソコンは、ドスパラが販売している「CLIP STUDIO PAINT」の動作確認ずみの「クリエイター向けパソコン」です。
上で紹介したマウスコンピューターのノートパソコンよりも性能は劣ってしまいますが、予算をおさえたい方には良いでしょう。
画面が13.3インチなので、15.6インチよりも少し小さくなってしまいますが、その分重さが約 1.35kgと軽めなので、持ち運びはしやすいです。
ただし、NVIDIA社などの専用グラフィックボードが搭載されていないので、3Dグラフィックには向いていませんのでご注意ください。
ドスパラ「クリエイター向けパソコン」raytrek debut!(レイトレック デビュー!) F-13 [SSD搭載]
上記2つのうち、どっちがおすすめ?
上記の2つのモデルのうち、マウスコンピューターのノートパソコンの方が、価格は高くなってしまいますが、性能的にはマウスコンピューターの方が上です。
NVIDIA社のグラフィックボードも搭載して、デュアルストレージ仕様でもあるので、予算に余裕があればマウスコンピューターの方のモデルの方がおすすめです。
マウスコンピューター「イラスト制作向けノートパソコン限定モデル」の詳細はコチラ
デスクトップパソコンのおすすめモデル
つづいて、デスクトップパソコンをご紹介します。
※液晶モニターは別売りです。
DAIV-DGZ520M3-SH2-CSは、イラスト/マンガ制作向けパソコン CLIP STUDIO PAINT 推奨認定モデルです。
価格は高めですが、イラストのプロも使っているくらいのスペックなので、本格的にデジタルイラストを描きたい方には、とてもおすすめです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | インテル Core i7-8700 プロセッサー |
グラフィックス | GeForce GTX 1050(2GB) |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 「240GB SSD」+「3TB HDD」 |
価格 | 159,800円 (税別)(2018年3月30日現在) |
もっと安いモデルがいいなら
raytrek debut!(レイトレック デビュー!)HB
もっと安いモデルがいいなら、raytrek debut!(レイトレック デビュー!)HBがおすすめです。
こちらも「CLIP STUDIO PAINT」動作確認済みパソコンシリーズなので、CLIP STUDIO PAINTを使う予定でも安心です。
そこそこの性能があり、価格も高すぎないので、バランスのよいモデルです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル Core i5-7500 プロセッサー |
グラフィックス | GeForce GT730(1GB) |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 「240GB SSD」+「1TB HDD」 |
価格 | 87,980円 (税別)(2018年3月30日現在) |
raytrek debut!(レイトレック デビュー!)HBの詳細はコチラ
あまり安いパソコンを買ってしまうと、性能不足でイラストを描くのは動作が遅くて大変かも
パソコンの値段は安いものは数万円から、高いものは数十万円までと幅広く、どれを買ったらいいのか分からないという人も多いと思います。
しかし、あまりに低価格なパソコンを購入すると、性能不足に悩むことになりかねません。
パソコンを使ってイラストを書こうと思っている方には、Core i5もしくはCore i7のCPUを搭載している機種なら処理性能も十分にあり、快適にイラストを書くことができます。
また、作業中のイラストを保管するためのメモリは8GB以上の容量を持ったものを選びましょう。
CeleronやPentiumを搭載したパソコンは、イラストを処理するための処理性能を十分に持っていない場合が多いので、注意が必要です。
さらに、SSD搭載のパソコンを選ぶとイラスト制作もより快適に!
上で挙げたスペックに加えて、SSD搭載のパソコンを選ぶと、さらに快適にイラスト制作ができるようになります。
デスクトップパソコンやノートパソコンには、データを保管するための部品(ストレージ)が取り付けられています。
日頃使っているソフトや、自分で作ったデータ、そしてWindowsといったOSソフトもすべてその中に保管されています。
これまで大多数のパソコンでは、データを保管するための部品としてHDD(ハードディスクドライブ)が使われてきました。
それが近年、HDDに代わるものとして注目されてきているのがSSD(ソリッドステートドライブ)というものです。
SSDは、HDDよりもデータの読み込みのスピードがとても速いです(おおよそ5倍〜20倍以上)。さらに、発熱しにくく、振動に強いという特長があります。
特にノートパソコンの場合には、持ち運んでいる際にパソコンに衝撃を与えてしまいHDDが損傷、データの読み込みに支障が出てしまうということが発生していました。
SSDならば、こうした事故が非常に起こりにくくなります。
こうしたメリットが多いSSDですが、唯一のデメリットといえるものはその価格でした。
同じ容量で比較した場合、SSDはHDDの約5〜6倍の価格となっていました。
しかしながら、最近はSSDの製造コストの低下に伴って、急速にその価格差が縮まってきています。
このようにSSDのデメリットが解消される傾向のある今後においては、SSDの搭載されたパソコンがとてもおすすめです。
イラスト描くならデスクトップパソコン?デスクトップパソコンの「メリット」と「デメリット」
■デスクトップパソコンのメリット・デメリット
メリット…ノートパソコンより壊れにくく、高性能なものがたくさんある
デメリット…持ち歩くことができない。スペースをとる。
デスクトップパソコンのメリットは、ノートパソコンより壊れにくく、高性能なものがたくさんあるということです(※あくまで一般論です)。
デスクトップパソコンは、万が一、部品が故障したとしても、メーカーによっては簡単に分解でき、自分で掃除をしたり、部品を交換したりなどして解決することもできます。
また、現状の性能に満足できない場合も、知識は必要ですが自分である程度性能をアップさせることが出来ます。
逆に、高性能なパソコンを求めていない人は、安価で自分の欲しい程度の性能のパソコンを作ることもできます。
デスクトップパソコンのデメリットは、持ち歩くことができないことや、デスクトップパソコンのみでは操作が出来ないので、キーボードやマウスやモニターを購入し、それらを置くスペースが必要となることです。
ノートパソコンでもイラストを描くことはできる!ノートパソコンの「メリット」と「デメリット」
■ノートパソコンのメリット・デメリット
メリット…持ち運びができる。設置スペースを取らない。
デメリット…デスクトップPCと比べると、高くなりがち。パーツの増設がしづらい。
ノートパソコンのメリットは、やはり一番は持ち運びができる点です。
バッテリーが内蔵されているので、コンセントのない所でも、停電時でも使用可能です。
またデスクトップと比べサイズも小さく、折りたたみもできるので、設置スペースを取らないのも大きなメリットです。
一方、ノートパソコンのデメリットは、小型化、重量を抑えるため、コストがどうしても高くなりがちということです。
また保存容量もデスクトップに比べると小さく、CD-ROM、DVD-ROMが使えないものもあります。
デスクトップだと、パーツの増設により、性能、機能を向上させることができるが、ノートパソコンではそれがなかなかできません。
ノートパソコンだからといって必ず故障するわけではない
デスクトップパソコンと比べると、ノートパソコンの方が壊れやすいと言われることがあります。
ノートパソコンは、持ち運びされることを前提として設計されているので、多少の振動には耐えられるようなパーツが使用されています。
したがって、余程強い衝撃を加えたりしない限りは、シャットダウンしてある状態であれば故障を心配する必要はあまりありません。
一方、デスクトップパソコンは、基本的に移動させないものなので、振動に耐えうるパーツが搭載されているとは限りません。
したがって、配置換えや引越等での移動がある際は、ノートパソコンよりも丁寧に扱う必要があります。
HDDなどの故障は、外部からの振動とは全く関係なく突然やって来ることがありますから、デスクトップでもノートでもリスクはあります。
もっとも、ノートパソコンの方が熱がこもりやすいので、熱による故障リスクは、ノートパソコンの方が高いと言えますが。
さらに言うなら、電源系統の故障は、雷が原因になることがあり、バッテリーで駆動させているノートパソコンより、コンセントから給電しているデスクトップパソコンの方がリスクが大きいと言えます。
というわけで、「ノートパソコンを買おうと思っているけれど、故障が心配」とお考えでしたら、心配しないでノートパソコンを買って大丈夫だと思います。それでも心配なら、延長保証をつける手もあります。
イラストを描くノートパソコンの選び方:画面は大きいものがおすすめ
画面が大きい方が、当然イラストも描きやすいです。
デスクトップパソコンだったら、液晶ディスプレイの選択肢が多くありますから、好みのサイズを選べばいいわけですが。
ノートパソコンとなると、画面が大きくなれば持ち運びも不便になるので、デスクトップパソコンのようにはいきません。
これは、わざわざ説明しなくてもお分かりになるかと思いますが(笑)
ノートパソコンの画面サイズは、小さいもので10インチ程度〜、大きいもので17インチのものがあります。
10インチ…小型のノートパソコン。イラストを描くには画面が小さくて苦痛だと思います。
13インチ…A4サイズくらいなので、ビジネスバッグなどにも入れやすい。画面サイズ的にはもう少し欲しいですが、持ち運びすることが多いのでしたら、これくらいのサイズがよい。
15インチ…ちょっと重くなってしまうので、頻繁に持ち運びする場合はあまりおすすめはしませんが、持ち運びはたまにして、家で使うことが多い」とかでしたら、これくらいのサイズがおすすめ。
17インチ…ノートパソコンとしては大きい画面サイズ。デカくて重いので、持ち運びには向いていない。
ちなみに、ノートパソコンでイラストを描くのでしたら、わたしのおすすめは15.6インチのノートパソコンです。
ちょっと重いですが、持ち運べないことはないですし、画面サイズもなかなか大きいからです。
(でも、毎日通勤・通学に持っていくとかでしたら、13インチくらいまでの軽いノートパソコンにしておいた方がいいでしょう。)
イラストを描くためのノートパソコンは、液晶がフルHD以上のものを選ぼう
フルHDとは、画面の解像度のことで、1920×1080ピクセルの画面解像度のことをフルHDと言います。
フルHDだと画面が高解像度で、クリアな表示が可能です。
デジタルイラストは、フルHDの液晶で閲覧する人がいるわけなので、そう考えたときに、当然自分もフルHDの液晶でデジタル絵を描いたほうがいいですよね。
また最近では、パソコンのディスプレイの画素数がどんどん増加してきており、それに伴ってネット上で公開されているウェブページも画素数や横幅の広いものが増えています。
その時に、フルHDより下のディスプレイを使うとどうなるかというと、ホームページを閲覧するのにいちいちシークバーを縦にも横にも動かさなくてはならなかったり、ページの構成が崩れてしまったりします。
特に今後は4kディスプレイも増加してくるので、それに対応できるようにインターネットのページも横幅がいまよりさらに大きくなったりしてきます。
なので、今後ノートパソコンの購入を検討している人は、かならず、フルHD以上のディスプレイがついたノートパソコンを買うようにしましょう。